2022年9月レビュー:NODA・MAP Q 〜A Night At The Kabuki~

久しぶりの野田地図です。
最後に見たのはコロナ前になってしまいました。
コロナでたくさんの時間や機会を失ってしまったことに
改めて悲しい気持ちです。

野田マップの舞台は、舞台ならではの楽しさが詰まっていて、
体験する感じがたまらないです。

今回のQはクイーンをモチーフに、楽曲が使われていながら、
鎌倉時代の時代背景と、ロミオとジュリエットベースにしたストーリー。

松たか子さんはとくに大好きな女優さんで、
舞台での声の強さもかっこよく、
野田地図では、年代を行ったり来たり、時間を超えるような設定も
素直に受け入れてしまうような、存在感にいつも引き込まれてしまう。

松さんや、大好きな女優さんを見ていていつも感じることなのだけれど、
俳優さんというお仕事って、媒介なんだなと思う。
何かイメージとかメッセージとかそういうものが
俳優さんを通して、形となって、時には言葉となって届く。

それをすごく感じるのが野田地図なんだな、と思っている。

野田地図では対比する関係性も描かれることが多くて、
今回は過去と現在のような形で、
松たか子さんと広瀬すずさん。
上川隆也さんと志尊淳さんがキャスティングされていたのだが、
初めて舞台で見る広瀬すずさん、志尊淳さんもすごく良かった。

志尊さんは映像でのお仕事では柔らかい性格の役や
ゲイの役をされるところを見たことがあったけど。
Qでは若々しい、男らしい青年役でそれがすごく似合っていた。
映像のイメージとは全く違うのが新鮮、これぞ舞台だからこそ。

野田さん自身もいつも通り、ひとりで性別や年齢、国籍を超える存在感でした。
ほんと、一瞬でなんでも超えてしまうのよ。

頭も疲れるんだけど、やっぱり野田地図の熱に巻き込まれるのはいいもんです。